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| 『湘南物語』2005年10月号「ぴ〜ぷる」より |
| □神輿工房『神輿康』 茅ヶ崎 |
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ドッコイドッコイのかけ声で茅ヶ崎に夏の訪れを告げる無形民俗文化財の『浜降祭』。この祭に欠かせないのが茅ヶ崎市と寒川町の33の神社から出輿する34基の本神輿ですが、その神輿を手がける職人さんが地元にいることをご存じですか。茅ヶ崎市今宿の松尾神社の隣に神輿工房茅ヶ崎『神輿康(みこしやす)』をかまえる中里康則さんは、生まれも育ちも茅ヶ崎という神輿作りの職人さんです。 「子供の頃から夏の思い出といえば浜降祭。祭り好きの祖母に連れられ、毎年欠かさず参加していました。待ち遠しくて一週間も前から眠れないなんてこともありましたよ」そんな康則少年が思いついたのが神輿作り。自分のものがあれば毎日のように担げると、初めて制作に挑んだのが幼稚園の頃でした。祭りのたびにしっかり観察してきただけあって、小さいながらも一見ほんものふう。それを眺めながら、いつかは本物の本神輿を自分の手で作ろうと決めたそうです。 長じては各地の祭りに参加してその土地の神輿を観察しながら独学で神輿の造形を学び、必要な技術を得るため大工の修行を経て“my神輿”をこつこつと制作。ついに夢が叶って神輿工房茅ヶ崎『神輿康』を立ち上げたのは平成9年のこと。 「完成当初の神輿はとてもシンプルでしたが、いまは徐々に装飾を施している最中」という中里さんの神輿は、台輪角金物の彫金を烏帽子岩や左富士にするといった地元愛が溢れています。神輿にかかせない提灯も自作です。「徐々に風格を増してゆく神輿を眺めるのが楽しい」と中里さん。今では神社から神輿の修復を依頼されることも多いそうです。 「古い神輿の修復は、先人の作品に触れることのできる貴重な機会。今年の浜降祭でぼくが修復した芹澤腰掛神社の神輿と、ぼくの地元の神輿が並んだときには感動しました。自分の神輿をまだ浜降祭に出すことはできませんが、自分が修復した神輿が出ているだけでも感激です」 中里さんのこれからの目標は地元で若い担ぎ手を育成すること。子供たちに神輿の楽しさや魅力を知ってもらうため、幼稚園や子供会のイベントなどに子供神輿の貸し出しもしており、華麗でパワフルなパフォーマンスとして、最近は結婚式に貸してほしいという依頼も増えています。 大晦日には縁の深い松尾神社の境内で、中里さん作の万灯神輿を担ぐ恒例のイベントがあります。当日は中里さんや仲間の皆さんが神輿を担いで境内を練っているので、初詣の帰りに神輿の輪に参加してみてください。 「神輿は老若男女、みんながいっしょに担いで楽しむもの。そこで学ぶことも多いのです。伝統を守るという考えも重んじつつ、神輿を担ぐのが好きだから担ぐ…、そういう身近な神輿との親しみ方を広めていきたいですね。実はぼくは親子で並んで花棒を担ぐのが夢なんです」 ■http://members2.jcom.home.ne.jp/mikoshiyasu/ |
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