『湘南物語』2008年1月号「ぴ〜ぷる」より

茶室では茶会も催せます  藤沢
ミニチュア  私の趣味は物づくり! そう胸を張る人が湘南には少なくありません。でも藤沢にお住まいの梶山裕さんの場合はテーマも発想も作るものもユニーク。
「最初は椅子や机など実際に使える“ほんもの”を作っていたのですが、そのうちに置き場所がなくなってしまってね…。だったら思い切って小さくしてしまえとミニチュアにしたんです」
 作品のなかには江戸小物を思わせるお茶箪笥や水屋箪笥、下駄箱などの懐かしい雰囲気の家具も。サイズはすべて実物の10分の1。でも引き出しなどは手製の鈎をひっかければきちんと開く現物なみの精巧さ。
「ミニチュアでも実際に動くところは動かなくちゃ楽しくないでしょ?でも私ができるのはミリ単位の加工がせいぜい」と笑う梶山さん。制作に設計図は不要で、昔の単位の“尺”を基準に縮尺を決めてしまえば自ずから形は決まってしまいます。
「組み立てはだいたいピンセットで。細かい作業で目が悪くなると家内が心配するけど、始めるとついつい時間を忘れてしまうんです」
 本当はご自宅の庭に茶室を建てたかったという梶山さんは、その夢を実物の15分の1のジオラマで実現。畳半畳の台のうえに茅葺の茶室、築山、庭園を配した楽しい作品を仕上げました。
「茶室には茶釜や棚、床の間の掛け軸もすべて揃っているので、茶会だってできちゃいますよ(笑)。回遊式の池には水を張って水車も回せる。厠や待合いもある。庭には松や季節の花を置いて楽しんでいます」ミニチュア
 ミニチュアを作るうえでの一番の苦労は材料集め。例えばミニチュアの畳。実際の畳を15分の1のサイズにカットしても周りのものに比べて畳の目が大きすぎ、本物らしくみえません。
「ですから畳は自作の小さな織機で織ります。とくに布の柄はミニチュアの作品には大きすぎるものが多いから、普段から使えそうな柄を見つけると、とりあえず買っておくんです。最近は噂を聞きつけて友人がいろいろ面白い素材を届けてくれるようになりました」
 いま梶山さんが熱心に取り組んでいるのが50分の1の三階建ての古い民家のミニチュア。
「細かいことろも作り込みたいので本当は15分の1のサイズでいきたいけれど、それでは大きすぎてちょっと…。いまようやく一、二階の骨組みができたところですから、完成までしばらく退屈しないですみそうです」
 趣味を生かしてお孫さんにはドールハウスをプレゼントした梶山さん。
「退職後に始めた趣味ですから、子どもたちは親父がそんなものを作っていることを知らないので、きっとビックリしたでしょうね。でも孫はみんな大喜びで使ってくれましたよ」

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