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| 『湘南物語』2004年2月号「ぴ〜ぷる」より |
| □湘南傘長の江戸文字職人 平塚 | ||||
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提灯や千社札などに見かける独特の書体。相撲の相撲文字や歌舞伎の勘亭流、寄席の寄席文字など、江戸時代の文化から生まれ発展し親しまれてきた文字を総称して『江戸文字』といいます。すき間なく肉厚に描かれた江戸文字には興業や商売の繁盛を願い、人々を大勢呼び込もうとする意味合いが込められいるのだといいます。江戸文字には江戸の人々の粋な遊び心が感じられます。
平塚市袖ヶ浜にある江戸文字・創作文字・オリジナル木札の店「湘南傘長」のご主人・前川巳代三さんは、その江戸文字を書く職人のお一人。東京神田で嘉永5年(1852)創業の「神田傘長」を営み、和傘や提灯、凧に江戸文字を入れ販売していましたが、昨年平塚に店舗を移したのを機に屋号を改め、伝統的な江戸文字の味わいを残しながら新たな技法でオリジナル木札を制作する「湘南傘長」にリニューアルしました。 「体調を崩したこともあって空気のよい地を探していたところ、縁あって平塚へ来ることになりました。ここは海が見え、東京にはないゆったりとした時間が流れているのがいいですね」と今年75歳を迎える前川さん。体調のよいときには一日じゅう仕事場にいて文字を書いていても苦にならないとか。 商売繁盛、開運招福…小さな木札に踊る粋な江戸文字は、用途によって大・中・小の電気ゴテで焼き付けます。文字というより図案として捉える江戸文字にはお手本もなく、体調の善し悪しが文字に表れるのだとか。小さな木札に細かな漢字を書くのは微妙な力加減が難しいのですが、そこは幼いころから家業の手伝いをしていた江戸文字職人・前川さんの腕の見せどころ。下書きなしにぐいぐい味のある文字を描いていきます。 |
![]() 店では、数ある木札のなかから好みの札を選び、その場で裏に名前を入れてもらえます。小ぶりの木札は携帯のストラップや迷子札などにぴったり。ほかでは手には入らないと口コミで広まり、遠方から買い求めに訪れる人もたくさんいます。 「焼きゴテで文字を書くなんて誰もやってないし、手作業だから同じものは一つとしてない。だから平塚に移ってもみんなが訪ねてきてくれんだね。いろんな字引を見ていい言葉を探しているよ。手和筆調=A心織筆耕=Aこれは私の創作。皆さんに文字の持つ楽しさに気づいてもらうのは楽しいね」 『立春大吉』など人気の文字の意味を尋ねる人に、前川さんは日本語の美しさや漢字の魅力を教えています。 ■http://www.kasacho.com |
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