2008年1月号より表紙を描いていただく茅ヶ崎在住の画家・佐藤友則さんは、東京藝術大学大学院・美術研究科油絵専攻を修了。現在は創作活動のかたわら、鎌倉の「湘南美術学院」の講師として後進の指導にあたられています。
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2008年5月号
林檎 りんご
りんごの花を描くことは、実は今回で二回目の経験です。新潟に住む祖母が長年にわたり詠んできたたくさんの俳句をまとめ、自宅の庭にあった木から命名した『花りんご』という名の句集を出す際にその挿絵として描いたことがあります。その句集は祖母にとって喜びに満ちた宝物となり、何度も何度も読み返していたそうです。そんな祖母も残念ながら数年前に他界してしまいました…。どうでしょう、今回の絵は上手に描けたでしょうか?

コバナシ
梅に続き今月の林檎もバラ科のリンゴ属に属する樹木です。昔から「一日一個で医者いらず」といわれるほどリンゴは栄養豊富な果物。ギリシャ神話などにリンゴのモチーフが多く使われているのはこの辺りからもきているのでしょうか?調べてみると面白いかも知れませんね。とワタクシの疑問はとりあえず、リンゴの花はツボミの時は濃い赤紫色をしていますが、花開くとまっ白に。白い花弁のなかにほんのり色づくピンク色はなんとも可憐。今月の表紙絵はそんな情景を思い出させてくれました。  
2008年4月号
蓮華 れんげ
日常のなかで比較的目にする機会が多い花でありながら、可憐で繊細な表情と密やかな存在の仕方はそこに広がりの有るイメージを抱かせてくれます。僕が以前から敬愛する画家であるモーリス・ルイス(1912〜1962・アメリカ)の作品群に「フローラル(花の)」というシリーズが有ります。直接的に何かの花を描くわけではない抽象画ですが、そこには結果的に対象物の有無を越えた豊かな自然観の表現が存在します。レンゲを見つめながらそんな事を考えました。

コバナシ
春の田んぼに一面ピンク色に咲き乱れるレンゲ。じつはコレ、田んぼの肥料として栽培されているんですよね。豆科の植物の根にあるこぶ「根粒」は根粒バクテリアとの共生により生じるもの。根粒バクテリアは大気中の窒素を取り込むため、肥料として最適なのだとか。化学肥料が導入されてから一面のレンゲ畑も少なくなりましたが、昨今の有機栽培ブームで戻りつつあります。  
2008年3月号
蒲公英 たんぽぽ
厳しい寒さの冬をくぐり抜け路端にかわいらしい顔を見せてくれるタンポポは何より親しみやすい存在です。この花は雑多な何気無い毎日の中で、感覚の隙間にスッと心地良く入り込んできてくれます。片や子供にとっては花より団子・・・「ふぅ〜っ!」と風の中に種子を飛ばす天然の遊び道具としての姿はお馴染です…そんな場面を包む麗らかな光線は、特有の空気感を持って春の到来を告げてくれます。今月はこの雰囲気を描く事を心掛け、絵筆を取りました…

コバナシ
キク科の植物のタンポポは、菊をはじめレタスや春菊、ゴボウといった同じキク科の野菜同様、食べることもできます。ちなみにタンポポとゴボウの根を並べてみるとそっくりで、同じ科であることがわかります。また、キク科の植物のなかにはヨモギやカモミールといった薬効のあるものも多く、やはりタンポポにもさまざまな薬効が期待されています。タンポポコーヒー、タンポポ茶などが目にしますが、おもに女性に嬉しい効用があるとか。  
2008年2月号
うめ
自宅近くの公園に、両脇を梅の木で飾った遊歩道があります。駅から続く曲がりくねったその道は、毎年開花の時期には立ち止まっての深呼吸ポイントとなります…。昼間の柔らかな光線のもとでも、夜間の乾いた冷気のなかでも、その独特な香りは本当においしい…。もうすぐ本格的な春の到来、その前に訪れるささやかな楽しみです。

コバナシ
梅はバラ科サクラ属の落葉高木。鑑賞用の花梅と果樹として栽培される実梅に大きく分けられ、実梅だけでも100種、花梅は300種類はあるといわれています。花びらは5枚で八重咲きもあり、色は白、紅、桃が基本とか。最近黄色い梅を見ましたという話を耳にしましたが、それは「黄梅」と呼ばれるモクセイ科ソケイ属の落葉低木。ジャスミンなんですね。梅と同じ頃に開花し花の形も似ていますが、花びらは6枚、筒状になった先に咲きます。  
2008年1月号
万両 まんりょう
お正月を飾るこの縁起ものの植物を、2008年の『湘南物語』の表紙のスタートとして描きました。これから私が表紙に描かせていただく予定の数々の作品、透明水彩絵の具の繊細で豊かな表情を駆使できれば…と考えています。ここ湘南のエネルギーに満ちた表情の奥に潜む“メランコリック”な、もうひとつの側面を感じながら…。

コバナシ
千両、万両、似ているようでまったく違う科の植物です。この名前の違いにはなかなか面白い説があります。特徴的なのが実の付け方。葉の上に実をつける千両、葉の下に実をつけるのが万両。上向きにつく千両に比べ、垂れ下がって実を付ける万両では万両は重く、千両は軽いとのことから名付けられたとか。


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